この感じはバセドウ病かも…?と思い当たる節があったとしても、症状によっては病院に行くかどうか迷ってしまうことがありますよね。
動悸や息切れが前よりする気がするけど、運動不足や太ったのが原因なだけかもしれない。
だるくて疲れやすいのは夏バテとか日頃の疲れが出ているだけかもしれない。
汗を前よりかきやすい気がするのは代謝が急に良くなっただけかもしれない。
イライラしやすく涙もろいのは、思春期(もしくは更年期)なだけだからかも…
こうやって別の理由を自分で結び付けて納得してしまって、なかなか病院へ足を運ばない方というのは本当に多いです。
忙しいくて時間がとれなかったり「こんな理由で病院って行っていいの?」とつい億劫な気持になってしまうのは、私もそうでしたのでよくわかります。
ですがもしもバセドウ病だった場合、まだ初期症状で済んでいる段階で病院に行かなければ、後々もっとやっかいな症状に悩まされることになるかもしれません。
そうならないためにも、よく出る初期症状や、私が実際にどうだったのか?という体験談を交えてご紹介させていただきますので、自分に当てはめて考えていただければと思います。
バセドウ病の症状で初期症状の特徴は?
まずバセドウ病とはどんな病気なのか?についてですが、あまり詳しく難しく書いても、だるくてイライラしている時に長ったらしい文章は見たくないですよね。
なのですごく簡単になりますが、ご説明しておきますね。
◇バセドウ病とは
バセドウ病は甲状腺(のどぼとけの下辺りにある)が異常になることで起きる病気で、自己免疫疾患のひとつになります。
この甲状腺から分泌される「甲状腺ホルモン」が、通常よりも過剰に分泌されることで身体に様々な不調をきたします。(通常より少ない場合は”橋本病”と言います)◇甲状腺とは
甲状腺は海苔やわかめなどの海藻類に含まれるヨウ素(ヨード)を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌するところです。
◇甲状腺ホルモンとは
甲状腺ホルモンには、新陳代謝を盛んにするなどの働きがあります。活動するために必要なエネルギーを作るという大事な役割のあるホルモンです。
◇バセドウ病になる原因とは
複数の原因(ストレス・体内環境の変化(妊娠や出産など)・稀に遺伝)が関与することにより発症すると言われています。
甲状腺から出る甲状腺ホルモンが、なんらかの理由が原因で過剰に分泌されることにより起こる病気がバセドウ病ということになります。
では本題の「バセドウ病の症状で初期症状の特徴」についてなのですが、まずは一般的に言われている症状に今のあなたが当てはまるかどうか、下記の項目をチェックしてみてください。
■バセドウ病の症状のチェックリスト
□疲れやすさやだるさがある
□汗が異常に多い
□暑がりである
□脈拍数が多く、動悸がする
□手足がふるえる
□甲状腺が腫れる
□食欲が旺盛である
□イライラする
□かゆみがある
□口が渇く
□眠れない(眠たい)
□微熱が続く
□息切れがする
□髪の毛が抜ける
□排便の回数が増える
□眼球が出てくる
□皮膚が乾燥する
□物忘れしやすい
いかがだったでしょうか?
いくつくらい当てはまるものがあったでしょうか。
正直言って□眼球突出□首(甲状腺)の腫れに関してはあまりにもわかりやすい症状なので、初期症状の特徴とは言いがたいですよね。
バセドウ病患者のお知り合いの方やわたしの場合の初期症状としては、
□なぜだか小さなことでもすごくイライラしてしまう
□走っているわけでもないのに、体中が全力疾走の後のようにしんどい
□寝るために横になっても、心臓の音が激しすぎて眠れない
□夏でもないのに体温が常に高くほてっている感じがする
□物忘れが激しく、仕事に支障をきたすレベルでパニックになりやすい
この辺りが「あれってバセドウ病の始まりだったかも」という、初期症状の意見として多くありました。
そしてほぼ全員が「疲れが出てるだけだと思った」とか「自律神経失調症の方かと思った」と言っていました。私もただ単に「疲れてんねんなー」くらいにしか思っていませんでしたし。
あとよく間違える方で多いのが「更年期の症状」だと思った、というご意見。確かにかなり近いものがあると看護師の方も仰ってました。
バセドウ病は20~30代くらいの若い女性が一番なりやすいらしいのですが、実際病院に行ってみるとご年配の方も結構いらっしゃるな、という印象でした。
夏バテがひどいだけかも…と考えてしまう方もいるようなのですが、汗やイライラはともかくとして、脈拍が早かったり(90~100、もしくはそれ以上)動悸が激しかったりする場合は「あれ、これバセドウ病かも?」と疑った方がよいかもしれません。
疲れやすい だるい 眠いの三重苦
自分がバセドウ病かも、と思った(というより気づかされた)のは、病気になってから約2年ほど経ってからでした。
というのも、バセドウ病の初期症状って本当に気づかないし気づけない。それくらい些細な違和感しか感じられなかったんですよね。
自分の場合、ハードな仕事を辞めたばかりだったため身体がやたらと疲れやすいのも、四六時中眠気がある感じがするのも、仕事を辞めたことによる反動みたいなものだと思い込んでいました。
「あれだけ休みなく働いてたんだから、辞めたからってすぐ健康になるわけないよね」と。
今思えば、辞める一年半ほど前からバセドウ病の初期症状は出ていたよな、と思えることがいくつかありました。
- 夜寝れていないわけでもないのに、帰りの電車で必ず寝過ごしてしまったり。
- 30分しかないお昼休憩中、いつの間にか机に突っ伏して寝てしまっていたり。
- イライラしやすく、すぐ泣いたり怒ったりと家族にやつ当たりしてしまったり。
これではとても「わたし今病気かもしれない!」とは考えられませんでした。
社会人でも学生さんでも、疲れていれば眠いのは当たり前ですよね。忙しい時や時間に余裕のない時にニコニコ笑顔でなんてしてられませんよね。
こんな感じで自分の変化にあまり疑問を持つことないまま仕事を辞めたのですが、その後は次々とバセドウ病の症状が出始めました。
動悸や息切れ 吐き気などの症状が出始めた
辞めたあとすぐには働く気にならず、お金もある程度余裕があったこともあり、半年ほど何もせずぶらぶら気ままに過ごしていました。
この頃から、眠気はあるのに心臓がやたらとバクバク脈打つ音が気になって、夜なかなか寝付けない日が増えていきました。
そしてあれは今でも一番よく覚えている出来事なのですが、母と一緒に家から駅へ行くのに下り坂を歩いていた時のことです。
母の歩くスピードは至って普通なのに、わたしがまったく追いつけないのです。
というのも、歩けば歩くほどに動悸と息切れが激しくなっていくため、とても「会話しながら歩く」ということが出来る状態ではなかったのです。
母にそれがわかるわけもなかったので、私が当然ついてきているものと思ってスタスタと歩いて行くものですから、「ゆっくり歩いてよ!」とわたしが半泣き状態で叫ぶまで、まったく気づいてもらえませんでした。
その時くらいから明らかに自分でも「なんでこんなに体力落ちてるの?」という疑問は抱いていたのですが、そんな状態になってもまだ、自分が病気になっているかも…とは思い至れませんでした。
その後もダイエットをして太ったり痩せたりを繰り返した影響かよく吐いてしまっていたのですが、それも「無理なダイエットのせいかな」と思い、気にしていませんでした。
食べる量は増えたのに太らない
無理なダイエットをした後も、食べる量としてはむしろ以前より増えていたくらいでした。
一日三食どころか、一日六食くらいは食べていた気がします。
朝8時くらいに朝ごはん食べて、11時くらいに食べて、13時にお昼食べて、15時におやつ(結構ガッツリな量)食べて、19時に晩ごはん食べて、21時くらいにお腹減って寝れないからちょっと食べて…。
バランス悪い食事をこんな頻繁にまぁまぁの量で食べていれば、どう考えてもおデブさんまっしぐらじゃん!と思いますよね。
ところがこの時食欲は常にあり相応の量を食べていたにも関わらず、ずーっと体重は変わりありませんでした。食べても食べてもなぜか太らない。
もともと痩せ型だったこともあったため、「前はすぐ体重増えてダイエットしてたもんだけど、ようやっと元の体質に戻ったのかな?」とまたもや勘違いしてしまったのです。
食べる量が多いのに太らない=バセドウ病の症状かもしれない
などという知識がその当時あるわけなかったので、食欲が旺盛になったくらいで「病気かも」という考えにはなりませんでした。
汗の量が異常 夏が地獄の季節に
辞めてから3ヶ月ほど経ってようやく「そろそろ仕事探さなきゃな」と思い、いざ行動に移ろうとしたのですが、その頃ちょうど季節は夏。
バセドウ病患者にとって生き地獄のような季節の真っ最中。
汗が拭いても拭いても出てくるんですよね。脇汗はもちろんのこと、顔からもお腹からもおしりと太ももの境目からも、ありとあらゆる箇所から大量の汗が出てくるんです。
ここまできたら普通は疑問を持ってもよさそうなものですよね。それがまぁなんなのでしょうか、悪い時には悪いことが重なるもんだなと思いました。
実は私は生まれつきアトピーなのですが、汗をまったくかけない体質だったんですよね。
それに低体温症(平熱が35℃)で手足もかなり冷たくなりやすかったので、学生の頃から「冷え取り健康法」なるものを実践していたんです。
この健康法自体はまったく問題なかったのですが、タイミングとしては非常に最悪でした。
私は「汗が異常なほど出てくる・体温が常に37℃近くある」という状態を
「冷え取りの効果がようやくでてきたんだ!これできっとアトピーもよくなる!」
と、盛大な勘違いをぶちかましてしまったのです。
ですがそんな事あるわけがありません。本当に健康体になっていたのなら、もっと元気に夏を過ごせていたはずです。
ところが前よりももっと体が思うように動かなくなっていたため、それまでは扇風機だけで夜過ごせていたのに、エアコンをつけていないと暑すぎて泣いてしまうほどに限界が近づいていました。
生理不順で3ヶ月も生理がこない状態に
この3ヶ月もの間、学生の頃から毎月ほぼずれることなく来ていた生理がピタッと止まってしまいました。
誤差があったとしてもせいぜい2,3日ズレる程度ってくらい毎月正確に来ていたので、2ヶ月待っても3ヶ月経っても生理がこなかったのにはさすがに不安を覚えました。
生理がこないようなことをした覚えが一切ないのに、来ていたものが来なくなるのですから、女性としても言いようのない不安がありました。
ただこんな状態になっていても、自分の身体がおかしいとは思っても「病気」だという自覚は持てませんでした。
そのうえ母が「姉や私を産むまでは1月2月来ないのは当たり前だった」という話をよくしていたので、遺伝的に考えれば自分もそうなる可能性があるなと思ってしまったのです。
会社の健康診断でよくやくバセドウ病だとわかった
そんな夏が終わったあと、身体がいくぶんかましになった気がしていた私は新しい会社に入ったのですが、3月に会社の健康診断があったんですね。
健康診断を受けるのは初めてだったので、どんな感じなんだろうなーと気楽に考えてました。
ちょっと話は変わりますが、健康診断って最初に採尿検査がありますよね?
この時のことは一般的なバセドウ病の症状に当てはまらないので今でも謎なのですが、普通バセドウ病の症状としては「頻尿」になるはずなんですよ。
ところがこの時どれだけ粘っても一向に尿が出てくれず、採尿するだけで2時間もかかりました。事前にトイレに行っていたわけでもないのに、です。
今ではちょっと水飲んだり頑張って力めば少量くらいは普通に出せるようになったので、あの時の症状は今でも「なんで逆だったのだろう?」と疑問に思います。
あとは順々に聴力検査や視力検査、採血や胸部X線などの一般的な検査が終わり、最後に先生に聴診器や触診などをしてもらうだけとなりました。
この時の女性の先生のことは今でもハッキリと覚えていますし、あんなに恐い体験をしたのはアレが初めてでした。
先生にめちゃくちゃ怒られる
それはもうめちゃくちゃ怒られました。どれくらいかというと、母でもこんな怒ったことないんやけど…ってくらい怒られました。↓
「なんでこんなに首が腫れるまで放っといたの!?だれもなにも言ってくれなかったの!!??明日には、いやもうこの健康診断が終わったらすぐ!すぐに病院に予約入れて、明日にでもちゃんと診察受けてきて!」
「絶対にバセドウ病だから、あなた!」
「いい?すぐによ、すぐに!あなたこれ放っといたらダメなことなの、分かったわね!?明日には病院行ってくださいねっっ!!!!!!!」
過剰な表現してみたとかではなく、ほんとこの文章そのままって感じでした。
大人になってから上司や同僚ではなく「お医者様に怒られる」というのは、子どもの頃ですら体験したことがないことだったので、もう本っ当にビビリました。
ようやく、ようやくここで「私は病気だったのか」と気づかされることとなります。
仕事をしていた時~辞めて半年後に入った会社で受けた健康診断。
病気になってからだんだんとひどくなり、それらの症状がすべて病気が原因だったのだと気づくまで、約2年半もの時が経っていました。
バセドウ病の初期症状の体験談まとめ
ずいぶんと長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか。
「これくらいの体調不良って誰でもあるよね!」と放っておくことが、いかに危険な自己判断になってしまうのか。お分かりいただけたでしょうか。
バセドウ病の初期段階で出る症状はひとつではないですし、一見すると非常にわかりにくいものが多いです。
おまけにただの疲れや更年期と勘違いしてしまう症状もあり、自分で「病気かどうか」を判断するのはとても難しいことだと思います。
自分の中で別の理由を結び付けて納得して終わり、ではなく。すこしでも「おかしいな!?」ということが続いたのなら、手遅れになる前に病院へ行ってほしいです。
わたしも未だに病院へ行くのは億劫ですし、できれば自己治癒力とか自己免疫力で治るまで放っておこうと考えてしまいます。
でも自分ではどうにもならない、知らなければ対処の仕様がないことは多々あります。
変だなぁと思った時点で、杞憂に終わる結果になってもいいので、一度病院へ行って診察を受けていただければ良いなと思っています。
バセドウ病の症状に当てはまると思ったら血液検査でバセドウかどうかを見分けることが出来ますので、内科を予約する段階で「バセドウ病かどうかを知りたいので、血液検査の項目に加えてほしい」と申し出てくださいね。
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