これは私が仕事を辞めると言い出せず、結果的に病気になってしまった話になります。
仕事を辞めたいのに辞められない理由は色々とあると思うのですが、どんな理由にしてもなんだか言い出しづらいですよね。その気持ちは本当によくわかります。
人手不足なのに、引継ぎもできていないのに、迷惑がかかるとわかっているのに…。
でもそのままずるずると働いていたら、もしかすると病気になってしまうかもしれません。
ストレスって、自分ではどこまでが限界かわからないものです。
気づかないまま限界まで我慢し続けていると、あなたの心も体も壊れてしまうかもしれないのです。
私のように手遅れになってほしくないから、この記事を見ることで自分のことをじっくりと考えるきっかけにしてほしいと思います。
仕事辞めたいと言えないストレスを抱えるまでの経緯
そもそもなぜ私が仕事を辞めたいと思うようになってしまったのか。
それについて少し長くなりますが、お話させていただきますね。
まず誤解のないように言っておきますと、最初のうちは特に悪いところがない普通の職場だったのです。
勤めてみたら地獄だったとか、入ってすぐ後悔するような苛酷な環境とかではまったくありませんでした。
ちなみに職業はパン屋さん(時給780円)のアルバイトとして働いていたのですが、労働条件はこのような感じでした。
- 一日の労働時間は5時間30分
- 週の労働日数は4~5日で、月の平均20日前後
- 人間関係も良好で仕事量もちょうどよかった
- 残業などもほぼなく定時で勤めていた
- 残業があれば1分単位でお給料がもらえていた
こんな感じの職場だったので、ストレスが溜まるようなことはほぼありませんでした。
勤め始めてから10ヶ月経つまでの間は、本当に平和なものでした。
…が、ベテランの先輩が突如クビにされたことで人手不足になり、一気に過酷な状況に追い込まれることとなります。
仕事が人手不足で休めないという状況に
なぜクビにされてしまったのかというのは、いちアルバイトの私には知る由もありませんでした。が、前から店長との折り合いが悪かったようなので、何らかの理由があったのだろうなと思います。
さてこれで何が困るかと言えば、このベテランの方は結構な時間で入られていたわけです。
最低5時間、多いときは8時間入って下さってました。この方がいなくなってしまったことで、私の労働環境というものが一気に変わってしまったのです。
- 一日の労働時間→6時間が2日、8時間が2日、10時間が2日
- 8時間だろうが10時間だろうが休憩時間は20分~30分
- 週の労働日数→週6日(2ヶ月に1回は、月4日の休みが3日に減らされる)
- つまり週6日どころか13日ぶっ通しで働くときがあった
- けれど変わらず時給は780円
- しかも「扶養控除にも労働基準法にも引っかからないよう、こっちで操作しとくからね!」と店長直々のご配慮があったため働き放題
- おまけにバイト募集をしてもお店が潰れるまでの間だれも来なかった
こんな環境が、約一年半もの間続きました。
どう考えても、もはやまともな職場ではありませんでしたし、体は20歳だったこともあってそこまで辛くはなかったものの、精神的には本当に参ってました。
仕事に行って働くことはできても、心が休まる暇というものが存在してませんでした。
そんな状況が突如として強制的に始まり、3ヶ月くらい経った頃のことだったでしょうか。
せきを切ったように感情が爆発して、家で号泣してしまいました。
ストレスの限界で涙が止まらなかった
ストレスの限界を超えるといっても、どこが限界かなんて人によって違いがあるでしょうし、基準もないからよくわかりませんよね。
そもそもストレスの限界ってどこだったのだろうかと、私なりに考えてたどり着いた答えは
「自分の意思ではどうしようもないことが自分の体に起きて止められないとき」
だったのではないかなと。
思ってもないことが口から出て止まらなかったり、暴れたいわけがないのに暴れないと気が済まなかったりなどもそうですよね。
最初はわけがわかりませんでした。だって勝手に涙が出てきてしかもそれが止まらないって、しかも止めたいのに止められないんですよ。
落ち着こう落ち着こうと思っても、感情がもはや爆発してしまっていてコントロールできないんです。どう考えても正常な状態ではありませんよね。
この時点でさっさと辞めてしまえればよかったのですが、当時の私は「今すぐに辞めたい」とは思っても、それを実際の行動に移そうとはまったく考えられませんでした。
人間しんどいときに何かをしようと思っても、考える気力が残っていないと無理なのでしょうね。考えがまとまらないどころか、正常な判断もできない状態でした。
さらにこのとき何が一番不運だったかって、「人間関係が悪くなかった」ことだったんです。
仕事を辞めたいのに辞められない理由は人手不足だったから
この会社今すぐにでも辞めてやりたい!って思うのって、どんなときでしょうか。
たぶんですけれど、一番「辞めたい」って思うときの状況というのは、原因が「人間関係」だったときではないでしょうか?
「上司からのパワハラが耐えられなくて」
「同僚からのいじめやいやがらせがひどくて」
「言うことを聞かない後輩の教育が大変で」
毎日行かなければならない職場でイヤな相手がいれば、行きたくなくなるのは当たり前ですよね。
ただ私の場合、人間関係はいたって良好だったのです。
アルバイトのみんなでなんとか時間を分担しあって、それぞれが同じようにつらい目に合っているのがわかっているから、常にお互いを励ましあっていました。
この作業いやじゃないんだけどメンドクサイんだよなぁってことも、他の人が率先してやってくれたり。私が一番年下で後輩だったこともあってか、頼るのにも抵抗ない関係でした。
こうなってくるとですね、これがなぜか不思議なものでして、人間関係がいいってそれだけの理由で「辞めます」と言いにくくなってしまうんですね。(たぶん人によるとも思いますが)
仮に少し想像してみてください。
とても仲良く一緒に働いていた人たちが、わたし一人が辞めることによってどんな労働を強いられることになるのか。
ベテランの方が一人辞めただけで、あれだけ苛酷な状況になったところへ、さらにわたしが追い打ちをかけるわけです。
先に辞めますと。人手不足になるのは分かってますが、知ったことではありませんと。みんなもしんどいだろうけれど、自分もしんどいから、みんなより先に辞めますねと。
最悪お店がつぶれるかもしれないけれど、そんなの関係ありませんよと。
・・・どうでしょうか。
想像していただけたでしょうか?
どんな風に感じたでしょうか。
私の場合はそれを言える性格ではありませんでしたし、言う勇気もありませんでした。
自分が辞めたいってだけで、果たしてどれだけの人に迷惑をかけることになるのだろうと思ってしまったのです。
でもこれってきっと、結構な人がぶち当たる一つの壁だと思うのです。
「仕事がつらいから今すぐにでも辞めたいのに、辞めるということが言えないしできない」という、大勢の人が抱える悩みなのではないかと。
後任も決まってないのに、引継ぎもできていないのに、自分がいないと職場の人が困ってしまうのにって。
周りの目を気にして、体裁を取り繕って、ずるずると辞められずにいる人って結構いるでしょうし、そんな人たちに支えられて今の日本は成り立っているのかもしれません。
ちょっと大げさな話になってしまいましたが、要するに
「自分のことより他の人のことを考えてしまった」
これが私が最後まで「辞める」と言えなかった理由でした。
今思えば、ここで辞めていたとしても、なんとかしてお店成り立ってたんじゃ?って思いました。
人手不足の職場を辞めても会社は回る
結局のところお店はパン職人さん2人とも辞めてしまったことで潰れたわけなのですが、パン屋ではなくなったものの改装して現在は違うお店になっています。
つまり職種が変わっただけで、会社自体は現在も潰れていないわけです。
それで思ったのですが、あの時点で仮にわたしが辞めていようがいまいが、結果は変わらなかったんじゃないのか?と。遅かれ早かれこうなっていただろうなと。
あのときは「他の人に迷惑かけちゃいけない」ってことに囚われすぎて頭が回りませんでしたが、結局みんながみんな辞めたがっていたんですよね。
ただお互いを気遣いあってしまった結果、だれも「辞める」と言い出せない雰囲気になってしまい、あそこまで苛酷な状況でも成り立ってしまっていたんですね。
今は中小企業の会社のパートとして働いているのですが、仮にどこかのお店でだれかが急に辞めたとしましょう。
次の日には本社から「応援」という名目で人が補充されているんです。
自分が辞めたら職場が…とか考えてしまうじゃないですか。でもなぜか人手不足にも関わらず、会社ってなんとかしてどこかから人を回して成り立つようにできるんですよ。
あなたが辞めたら困る!と言って引き留めてくる人もいるかもしれませんが、ひと1人が辞めたくらいで回らなくなる職場ならとっくに潰れてるはずなんです。
それにそんな苛酷な労働を平気でさせる職場なら、早く潰れた方がみんなのため、くらいの気持ちでいいとすら思います。
働いているのは人間であり機械じゃないんですから絶対に限界はくるし、限界がくるほどつらい環境ならば、そこはあなたがいるべき場所ではないのではないでしょうか。
自分以外の人のために頑張って我慢し続けて、その先には一体何が残るのでしょうか?
仕事が原因で精神的ストレスが重なり病気になった
お店が潰れたあと、わたしの元に残っていたのは
- いくばくかのお金と
- 19~21歳という貴重な時間を失った事実と
- お金では買うことのできない「健康ではなくなった身体」
この3つだったわけです。
1は誰にとっても残ってよいものですよね。お金は大事ですし、お金のために働いていたわけですから。
2に関してはもう今さら言ってもどうしようもありませんし、取り戻すことなんて不可能ですから、諦めるしかありませんよね。
で、問題は3の「健康ではなくなった身体」
つまり私は頑張って働いたことによって、病気になったわけです。
病名は「バセドウ病」と言いまして、自己免疫疾患のひとつになります。
バセドウ病は完治する病ではないため、再発しないよう抑えるか、手術で切り取ったあと一生薬とつきあっていくかのどちらかになります。
症状はうつ病と結構近いものがあり、
感情の起伏が激しい・動悸が激しい・すぐ疲れるなど。
この病気になる原因は実はいまだ解明されてはいないのですが、大体の研究で分かったことが「様々な要因が重なることでホルモンバランスが乱れて起こる状態」なのです。
その様々な要因の大部分を占める理由が、「ストレス」なんですね。
この病気になるのに思い当たる節がありまくりでした。
病気が発覚した時、ただただ茫然としていた記憶が思い出されます。
それでそのあと、3ヶ月経って涙が止まらなかったときのことを思い出しました。
きっとあれは体からの必死のSOSだったのだろうと。
なぜああなった時点で、自分の体を第一に考えてあげられなかったのだろうかと。
お給料がどうとか、職場がどうとか、家族の目がとかより、何よりも優先するべきは自分だったはずなんです。
自分のことを一番守ってあげられるのは、他のだれでもなく自分だけなのだと思い知りました。
長くなりましたが、
「仕事辞めたいと言えないストレスを我慢したら病気になった話」
はひとまずこれでいったん終わりになります。
最後にあなたにお伝えしたいこと
ここまで読んでみて、いかがだったでしょうか。
あなたは今どんな状況でこの記事を読んでくださっているのでしょうか。
「仕事を辞めたいなんてただの甘え」とか思ってたりはしませんか。
ストレスなんて多かれ少なかれ皆が抱えているものだし…とか。
そんなことないですし、ストレスを溜めていいことなんて本当にありません。
「仕事を辞めたい、心も体ももう限界」というのであれば、それは体が発信している最後の警告なんです。
本当の限界を迎えてしまう前に、自分の心を労わってあげてほしいのです。
一度失った健康は、取り戻すのに倍以上の時間を使ってしまいます。おまけに完全に取り戻すことができなくなるかもしれないんです。
そうなってしまわないためにも、自分ひとりで抱え込んでしまうのではなく、だれかに相談するなりして自分を助けてあげてください。
本当に長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
あなたが健康でいられることを願っています。
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