最近本やテレビなどでもよく取り上げられ、なんだかんだと根強いブームが続いている白湯(さゆ)。
自分が元々アトピーだったり冷え性に悩まされていたことなどもあり、「白湯は体の不調や冷えにいいらしい」と聞いた時から(毎日ではないものの)作って朝食前に飲んだりしていました。
当初はあまり何も思わずネットや本の作り方を見ながら作っていたのですが、最近になってふとこう思うように。
「そもそも白湯とお湯って何が違うんや…?」
正直どっちもお湯やんか!と。
それなのに、わざわざ水からもう一度沸かして、しかもその後やかんの蓋をとってさらに沸かし続けて適温まで冷まして…ってもう本当にメンドクサイ。
なのでそんな疑問を抱きながら作るのではなく、もう一度白湯というものをよく知って、正しい作り方や効果の違いなどをきちんと理解した上で摂りたいなと思いましたので、同じように疑念をお持ちの方もよければご参考にされてみて下さいね。
白湯とお湯ってなにがどう違うのか?
「白湯」と「お湯」って、一体何が違うのでしょうね?
ついでに言うと「湯冷まし」とも何がどう違うんでしょうか。
まず白湯なんですが、白湯は何も入れていない水を沸かしただけのものを指す言葉で、つまりはただの「湯」のことなんです。一般的には適温(40~50℃)まで冷ましてから飲むため、沸かした湯を冷まして飲みます。
次に湯冷ましなんですが、いったん沸騰させた湯をぬるく冷ましたものになり、こうする理由はカルキなどの不純物がとび口当たりも柔らかくなるため、ということです。
なので白湯=湯冷ましということになります。が、実はこれもまったく同じというわけではありませんので、後述で記載しますね。
次にお湯なんですが、お湯はただ水を温めたものを言うため、白湯や湯冷ましのように「いったん沸騰させる」という意味合いはありません。水を温めれば、それは湯になるということですね。
飲む用に水から作った湯が「白湯・湯冷まし」であり、風呂用だったり食器を洗うときの温水などは「ただのお湯」になるわけです。
もっとわかりやすく言えば、お湯の中でも特に沸騰させたものは白湯ですが、加熱していって40℃にするのは「お湯」だけど「白湯」にはなりません。
しかしそのまま加熱し続けて沸騰させ、40℃まで冷ましたものは「お湯」でもあり、また「白湯(湯冷まし)」でもあるということになります。
白湯と湯冷ましの違い
一章では白湯=湯冷ましと記載しておりましたが、実はこれも違いがありました。
そもそも白湯が体にいいと言われ出したのは、私の認識が間違っていなければ「アーユルヴェーダ」の本でさかんに言われていたのが始まりだったと思います。
白湯とアーユルヴェーダ
◇アーユルヴェーダとは(※すっごくかいつまんで説明)
世界三大医学のひとつであり、インドの伝統医療。西洋医学のように薬で病気の症状を取り除くのではなく、食事やヨガなどで身体の不調を未然に防ぐ予防医学である。
食事法(医食同源)・健康法(ヨガ・瞑想)といった日常生活に関わるものから生命そのものまでを学び、バランスの取れた状態を目指していく。
アーユルヴェーダでは、さまざまな健康効果を持つ「魔法の水」と位置づけられているのが「白湯」になります。
このアーユルヴェーダの世界では「水」「火」「風」の3要素が重視されており、白湯は「水」を「火」にかけ、沸騰して気泡が出るときには「風」の性質も加わるため、体内の毒素を出して身体のバランスを整え健康に導くと考えられています。
これが本来広まるきっかけとなった「白湯」の意味だったはずなので、たんに沸かして冷めたお湯が白湯という考え方とはまた違うように思います。
白湯の正しい作り方
白湯とお湯・白湯と湯冷ましの違いをお分かりいただけたところで、
次は「白湯の正しい作り方」を知っていきましょう。
白湯の作り方
- やかんかお鍋にお水を入れ、蓋をして火にかける
- 沸騰したら蓋をとり、泡が立つ程度(弱火~中火の間くらい)にして10~15分ほど沸かし続ける
- 10分ほど置き、40~50℃くらいの飲める温度に冷ませば白湯のできあがり。
いたって簡単ですが、いくつか分かりにくいところや疑問点もあると思いますので、補足していきますね。
まず沸かすときなんですが、水をどれくらい入れればいいのか、最初はわかりませんよね。
沸騰してもそのまま沸かし続けるので、お湯の量は当然減ります。
なのでコップ一杯分を作るときは、コップ満杯の量の水を2~2,5杯分入れるとちょうどよい量になります。
次に蓋をとって10~15分沸かすということについてですが…正直めっちゃめんどくさいですよね?
でもこれにはきちんとした理由があるんです。
白湯 沸かし続ける意味とは
白湯は水そのものの味が直接味覚に感じるので、使用する水の水質がよくなければならない。とくに水道水では塩素を含むため、十分に沸騰させることが味のよい白湯をつくる条件である。白湯はまた、南部鉄などの鉄分の溶けにくい茶釜(ちゃがま)、鉄瓶などで沸かしたものが味がよいといわれる。白湯は薬の服用などに用いられる。
水道水の塩素とはカルキのことですが、このカルキを抜く方法って煮沸する方法の場合は5分以上沸騰させ続けることが大事なんですね。
ところが夏時期の水道水って細菌感染を防ぐために、塩素濃度が高くなる傾向があるんです。
塩素濃度が高いのに沸騰時間が短いと、カルキが完全に抜けない場合も考えられるため、どの季節でも飲める白湯にするのに「10~15分以上沸騰させ続ける」必要があったんです。
また白湯でよくある質問が「沸かして冷めたお湯をもう一度温めるのはいいのか?」ということなのですが、何度も沸かし直すのはおすすめしません。
本来の白湯の効果が薄まりますので、再沸騰させて飲むのはやめておきましょう。
白湯を飲むタイミングと量
白湯を飲むタイミングですが、朝起きて1杯を朝食前に飲むのがおすすめです。
人は寝ている間に汗をかくというのは聞いたことあるかもしれません。多い時には1リットルも失ってしまっていることもあるのです。
なので朝起きた時というのは、思っている以上に水分が不足している状態なんですね。
また白湯のような適度な温度の飲み物は胃腸の働きをゆっくりと刺激してくれるので、その後の朝食を消化する助けにもなります。
日中でしたら食事前に飲むのがおすすめです。
※食後30分間と就寝前は控えましょう。消化を遅らせたりトイレに行きたくなったりしてしまいます。
白湯を飲む量
白湯を飲む量ですが、600~800ml程度が一日の適切な摂取量と言われています。
ここで注意していただきたいのが、身体にいいからと言ってたくさん飲むのはNGということです。
水分をあまり摂り過ぎると体内にある栄養なども流してしまったり、むくみが生じる原因となってしまったりなど逆効果です。
一回に飲むのに適切な量は200mlと言われていますので、コップ1杯を3~4回に分けて飲むようにすればちょうどよいという計算になりますね。
飲むときはゆっくりと胃に流し込んでいくことを意識してみてください。
白湯とお湯の違いまとめ
いかがだったでしょうか?
白湯とお湯、白湯と湯冷ましの違い。正しい作り方や「なぜ沸かし続ける必要があるのか」についてご説明させていただきました。
実はすごく気になったので、試しに「ただ沸かしただけのお湯」を、朝起きたときに1杯分だけ一週間摂り続けてみました。
蓋取って10分以上沸かすという行程を除くと、どう違うもんかなーと気になったので。(めんどくさかったですし…)
これがですね、「お湯が臭い気がする」ため、コップ1杯飲むのもまぁ苦痛でした。
いわゆるカルキ臭とでも言うのでしょうか、一度気になるともうダメでしたね。
なので「正しい作り方ってめんどくさ~い」と思う方は、一度普通のお湯と飲み比べてみてほしいなと思いました。味がぜんぜん違うように感じられると思います。
作り方って簡単に見えて意外と面倒臭い作業があったりして、「なんで?」と思ってしまうのですが、そうなるには理由があるもんだなぁと身をもって知りました。
今のところ毎朝快便なので、一応効果は期待できるかなと思います。よければ一緒に飲み続けてみませんか?
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