熱中症対策としてよくあげられる「塩飴」
熱中症に効果があると言われていますが、果たして本当に効くのでしょうか。
塩飴をなめすぎて塩分の摂り過ぎだったり、糖分の摂り過ぎになったりしないようにも気を付けたいものです。
熱中症対策で塩飴の効果や一日になめていい量などを見ていきましょう。
熱中症対策で塩飴の効果とは?
熱中症対策におすすめと言われる塩飴ですが、確かにある程度の効果は期待できます。
人は汗をかいたとき、身体からは主に3つの成分が大量に消費されています。
- 水分
- 塩分(ナトリウム)
- 糖分(エネルギーの素)
この上記の3つを効率よく摂取できるのが「塩飴」だと言われています。
「そんな運動してないし、そこまで汗かいてないよ」と思う方もいるかもしれませんが、
猛暑の時期などは少し歩くだけでも汗をかきますし、動いていなくとも汗をかく場合もあります。
また寝ている間も体は働いているので、自分が思っている以上に汗をかいています。
呼吸による水分の放出を含めると平均で約500ml、多いときには1リットルも水分が失われています。
汗をかくことで体内のミネラル(とくにナトリウム)が一緒に排出されてしまうため、食べ物や飲み物から補わなければいけません。
このときうまく栄養補給ができていなければ、水分やミネラルが不足し「脱水」状態になり、さらに体の不調を引き起こすため熱中症になってしまうのです。
このとき水分補給だけでいいのでは?と思うかもしれませんが、水だけ飲んでも体にうまく吸収されないため、あまり効果が期待できません。
ここで水分の吸収スピードを早めてくれるのが塩分ということです。
また水分と塩分だけ注目されがちですが、運動する人の場合は同時に「エネルギー」も不足しがちになるため、「糖分」を補う必要が出てくるのです。
ただ塩あめはいい点ばかりではないため、いくつか注意することがあります。
熱中症 塩飴のなめていい量は?
塩飴は確かに熱中症対策に効果が期待できますが、だからと言ってしょっちゅうなめるのは逆効果です。
高齢者の方などは熱中症を気にするあまり、1日に何個もなめてしまうため、塩分や糖分の摂り過ぎで高血圧になるおそれがあります。
そこで一日になめてよい塩飴の量ですが、よほどハードなスポーツをしていない限りは1日に2~3個ほどで十分です。
このとき一個なめるごとに約200ccの水を飲むのがいいとされていますので、ペットボトルや水筒は準備しておきましょう。
塩分のとり過ぎに注意
夏の暑い時期などは、確かに塩分補給は気にした方がよいのですが、実はこれはあくまでも「激しい運動などをして汗を大量にかいた人の場合は」という前提があるのです。
そもそも普通に食事をしていれば醤油や塩などの調味料からも自然に塩分を摂取できるので、塩分補給を積極的にする必要はほぼないんです。
以下は塩分摂取量の目安などをまとめた表になります。
【厚生労働省の1日あたりの塩分摂取量の目標値】 | 男性・・・・8g 女性・・・・7g |
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【高血圧学会の1日あたりの塩分摂取量の推奨値】 | 6g未満 |
【腎臓病患者の目安】 | 3~6gが理想 |
【人工透析患者の目安】 | 6g |
【WHO世界保険機関の1日の塩分量の目標値】 | 5g未満 |
平均すると1日の塩分摂取量の目安は大体6~8gくらいと考えられてます。
おまけに日本人の平均塩分摂取量は男性で11g・女性で9gなので、普段の食生活で十分塩分の補給はできているということです。
とは言っても塩飴に含まれる塩分は、どのメーカーでも大体1粒に対して0.1g程度しか含まれていないため、そこまで心配する必要はないと考えてよいでしょう。
むしろ心配するべきは糖分の過剰摂取の方になります。
塩飴のカロリーは要注意
塩飴といっても普通の飴と糖類の量に違いはあまりないのですが、塩分を気にしていてもカロリーまで見ていない方が多いように思います。
塩飴も通常の飴と変わりなく、1粒の重さ=糖質ということになりますので、塩分の摂り過ぎよりもむしろ糖分の摂り過ぎに注意するべきなんです。
スポーツ飲料にも言えることなのですが、水だけよりミネラルも一緒に!というのを理由に糖分を入れすぎているメーカーが多いように思います。
ただの水だけよりも飲みやすいからと言ってガブガブ飲んだり、水とともに飴を過剰になめるのはカロリー過多になりやすいです。
塩飴に含まれるカロリーは1粒あたり約15kcalが平均なのですが(多いものは32kcal)
なめる量は多くても4粒~5粒までに抑えておくのがよさそうです。運動をあまりされないのであれば、1粒でもいいくらいかもしれません。
5粒以上になると100kcalを超えることから肥満に繋がる恐れもあります。
※あとこれは熱中症とは関係ない話ですが、飴はやはり毎日のようになめていると虫歯になる可能性が高くなりますし、個人的にあまりおすすめしません。
塩飴は1袋購入するとけっこうな量が入っているので、残った分は無理に食べようとせず冷蔵庫や冷暗所などで保管しましょう。
熱中症対策と塩飴の効果まとめ
熱中症対策でよく言われる塩飴の効果についてまとめてみました。
うちのスーパーでも夏になるとよくご年配の方が塩飴を何袋も買っていかれるのですが(清涼飲料水とともに)そのたびに
「どうかこの人が高血圧や糖尿病になりませんように・・・」
とか思いながらレジ打ちしてしまいます(汗
たしかに熱中症はこわいですし、予防できる方法があるならするにこしたことはないのですが、塩分に関してはほとんどの人の場合は気にする必要はないでしょう。
水分も一気にとるのではなく、気づいた時にこまめに飲むのが一番体によいので、水分補給はお忘れなくです^^
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