「ウコンの力」などの商品からもわかるように、体によいと有名な”うこん”。
二日酔いしやすい人や酒飲みには持ってこいだと言われていましたが、先日お客様から意外な情報を耳にしました。
「うこんって肝臓が弱い人にはおすすめできないみたいね~」とのこと。
肝臓が弱い人にこそオススメするものだと思っていたので、店員として「お酒大好きなお客様」に勧めまくっていた私は内心焦りました(汗
ウコンが体にいいというのはウソなのか?肝臓が弱い人にはよくないって本当なのか?
どちらの情報が正しいのか、今後のためにも調べてみました。果たして結果は・・・。
ウコンは肝臓にいいって本当?効果は?
まず「うこんとは何か」ということにういて、簡単にご説明しておきますね。
ウコン(鬱金)とはショウガ科に属しているもので、ターメリック(香辛料)ともいいます。(カレーが黄色いのはターメリックが入っているため)
大まかに春ウコン・紫ウコン(ガジュツ)、秋ウコンの3種類に分類され、春ウコンはミネラルや精油成分が豊富に含まれており、紫ウコンは中医学漢方で主に使用されています。
一般的に使われている秋ウコンにはクルクミンという成分が豊富に含まれているのが特徴です。
この秋ウコンに豊富に含まれているクルクミンが、体によいと言われている主成分になります。
クルクミンの効果とは?
クルクミンはポリフェノールの一種で、
- 抗酸化作用がある
- 肝臓によい(二日酔いに効く)
- 発がんを抑制する
など、体にとってよい効果が期待されると言われていました。
マウスの実験結果では、ウコンを摂取してから30分後に2倍以上の胆汁が分泌されたことで、肝臓の解毒作用が高まり悪酔いしにくくなる効果が見られたとあります。
だから「ウコンの力」などの栄養ドリンクとして販売されたり、サプリメントやタブレットなどに配合されているのですね。自然の薬草ということもあり、副作用の心配もほぼなく安全なものとして扱われてきました。
また中国やインドはもちろん、日本では沖縄で古くから民間療法に利用されてきた、ポピュラーな薬草のひとつでもあります。
他にも抗酸化作用や抗炎症作用などもあるとされ、鉄分も豊富に含まれていることからも栄養補助食品として重宝されてきました。
よくお買い求めになる方も、
「お酒飲む前にウコンの力を飲むとさ、酔い方が全然ちがうんだよ!」
という風におっしゃってました。(気の持ちようだとも思いましたが^^;)
以上のことからも、ウコン(クルクミン)は体(とくに肝臓)にいいというのは当たり前のように言われてきていました。
ですが、最近になって「ウコンは実は肝臓によくない」という話をよく耳にするようになりました。
ウコンは実は肝臓に悪い?負担がかかる理由
ウコンが肝臓によくないと言われるようになったのは、クルクミンに豊富に含まれている鉄分が原因のようです。
日本人は鉄分が不足しがちと聞きますし、鉄分が豊富に含まれているならむしろ体にいいのでは?と思いますよね。
ですが人によっては、鉄分の摂取量に気を付けなければならない状態の人がいます。
ウコンが肝臓に負担になる人
- C型慢性肝炎患者、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者
鉄過剰を起こしやすいため鉄制限食療法が必要なのですが、ウコンを摂取することで肝臓に悪影響を与えてしまう可能性があるので、注意した方がよいと言われています。
肝臓に鉄分が溜まりやすい病気であるため、肝機能が低下している患者さんは注意が必要です。鉄分の過剰摂取で肝硬変になる場合もあります。
- 胆石・胆のう炎、胆管がん、胆のうがんの方
クルクミンは胆汁の分泌量を増やす効果があることから、二日酔いに効くと言われています。
ですが、胆汁鬱滞(うっ滞)や胆汁管障害を患っている方の場合は刺激作用のあるクルクミンの摂取は控える必要があります。分泌量が増えることで、症状が悪化する可能性があるからです。
- 心臓病や脳血管障害、慢性の動脈閉塞症などで治療中の方
血液が凝固するのを防ぐため、ワーファリン(ワルファリン)などの抗凝固薬や抗血小板薬が処方されている人の場合、血液をさらさらにする作用がクルクミンによって増強されるおそれがあります。
血小板が少なく血が止まりにくい病気の方も、ウコンには注意が必要と言われています。
- 高血圧の方
ウコンには血圧を下げる効果があるので、血圧降下剤を併用すると血圧が下がりすぎてしまう可能性があります。薬の効能の妨げにならないよう摂取は控えたほうがよさそうです。
また薬物性肝障害といって、薬やサプリメントを摂取することで肝臓を悪くする原因のナンバーワンがウコンだったという調査結果もありました。
10年の間に報告があったうちの1/4がウコンが原因だったというのですから、確実に悪さをする確証はなくても、人によっては肝臓への負担は計り知れません。
ウコンアレルギーとは?
またウコンはサプリメント以外にも、飲み薬や外用薬でも用いられることが多いのですが、その結果「ウコンのアレルギー」を発症してしまう(もしくは元から持っている)人が少なからずいます。
「ザ!世界仰天ニュース」で取り上げられたことがある話によれば、
ある男性が「疲れた体にはウコンが効く」とうたっているサイトを見て、国産のうこんを少量購入した。
少ししか買っていなかったため、長く持たせるよう量は少なめに飲んでいた。
飲み始めて2ヶ月経ってから次々と身体への不調や倦怠感が表れたため病院へいくと、肌や白目が黄色く染まっており黄疸と診断された。
摂取したウコンが肝臓で分解されるときにアレルゲンへと変化してしまい、それに対して免疫異常が起こり、肝細胞が大量に破壊されウコンアレルギーを発症してしまった。
などの例もあったそうです。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれているため、自覚症状がないまま症状が悪化していまい手遅れになるパターンが多いのです。
ウコンによる副作用が、必ずしも目に見える形で出てくるわけではないのですね。
とはいっても、悪い報告ばかりでもないのがウコンの不思議なところです。
実際私の知り合いの美容師さんも、「ウコン茶を飲むようになってから胃腸の調子が良くなった!」と言っていたため、
良いのか悪いのかどっちなんだ!と言えば、「人による」部分が大きいかもしれません。
どんなよいものであっても、そればかりを過剰に摂取してしまうのはやはり体にとってよくないことです。
しんどいときや辛いとき、ついついサプリメントや健康食品に頼りがちになってしまう気持ちはよくわかります。
だからこそ、口にするものの摂取量などはきちんと守ってとるように心がけていきましょう。
ウコンと肝臓についてのまとめ
お客さんの一言から調べることになった「ウコンと肝臓の関係」についてまとめてみました。
正直ウコンがここまで肝臓に悪影響を与える可能性があるというのは初耳でしたので、今まで散々お酒大好きなおじさん達に「飲むといいよ!」とすすめていた自分に後ろめたい気持ちがあります・・・(-_-;)
毎日たくさん飲んでいる!という人ばかりでもないでしょうし、そこまで気にしなくても大丈夫だとは思いますが、やはりサプリメントや栄養ドリンクも摂り過ぎはいけませんね。
なんでもそうですが、栄養補助食品はあくまでも「補助」という役割ですし、サプリばかり飲むというのは身体にとってもよくありませんね。
肝に銘じておこうと思いました。
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