ミントやハッカ系のスースーするタイプのガムやタブレットをかむと、かならずと言っていいほどくしゃみが出るときありますよね。
友達に言っても「なにそれ?」ってちょっと笑われて終わってしまうような症状かもしれません。
でも毎回毎回くしゃみや鼻水が出ると、これってもしかして何かのアレルギー?と不安になってしまうときも。
ガムを食べるとくしゃみが出るのはなぜなのか。
これには様々な理由が絡み合っていました。
ガムを噛むとくしゃみってアレルギー?
ガムを噛むたびにくしゃみや鼻水が出てしまう理由ですが、
キシリトールやメントス、クロレッツ、フリスクやミンティアなどに含まれるミントやハッカが原因になっている場合があります。
あの独特の辛味というか清涼感のある「スカッ!」とした感じがなんとも言えず好きなのですが、そもそもその原材料に原因があるということ。
というのも、ミントアレルギーやハッカアレルギーというアレルギーが存在しているため、もしかしたら自覚がないだけで持っている可能性があるからです。
◆ペパーミント、セイヨウハッカ油の一般的な危険情報は何か?
- ペパーミント油を経口または局所的に適正に使用する場合はおそらく安全である。
- 葉の短期間の使用、ペパーミント油のアロマセラピーとしての使用は安全性が示唆されている。
- ペパーミント油の経口摂取は、胸やけ、吐き気、嘔吐、肛門炎症、顔面紅潮や頭痛を含めたアレルギー症状を引き起こす可能性がある。腸溶カプセルにすることで胸やけの発生率が減少するが、腸輸送時間が短縮する状況で肛門の炎症を引き起こすことがある。
- ペパーミントに接触過敏性を示す人がペパーミント油を経口摂取した場合、口腔灼熱症候群や慢性口内潰瘍を起こす可能性がある。
- ペパーミント油含有キャンディーを過剰に摂取すると口内炎を起こす可能性がある。
- ペパーミント油は皮膚刺激や接触皮膚炎を引き起こす可能性がある。
(国立健康・栄養研究所の健康食品の安全性・有効性情報の素材情報データベースより)
引用元:福岡県薬剤師会の質疑応答より一部抜粋
アレルギーだった場合の症状が重症だなと思ったかもしれませんが、基本的に少量であれば比較的安全なものだよ、ということですね。
ただこれ見てもらえばわかると思うのですが、吐き気や嘔吐、下痢、口内炎と書かれてはいるものの、くしゃみや鼻水は症状として載っていないんです。
ということは、アレルギーではない場合があるということも考えられますよね。
なので今度はくしゃみが出るメカニズムから原因を探ってみることに。
くしゃみがでる原理
くしゃみが出るのは、基本的に2つの理由があります。
- 体温を上げるための生理現象鼻腔内の埃、
- 異物を体外に排出するための噴出機能
それぞれどういうことなのか、簡単に説明していきますね。
1.体温を上げるための生理現象
寒い場所にいるときって、くしゃみがよく出ますよね。鼻の中が涼しさいっぱいというか、鼻に抜ける感じが「スー!ツーン!」みたいな感じで。
本来は息を吸ったり吐いたりして鼻の中の体温を保とうとするのですが、鼻腔内の温度が急に下がると、鼻の中の神経が脳に「体温上げてっ!」と命令を出すんです。
知覚神経というのですが、この脳に出している命令というのが体を振動させて体温を上げさせようとしているため、これが「くしゃみが出る」という反応に繋がるわけです。
2.鼻腔内の埃、異物を体外に排出するための噴出機能
これは花粉症やハウスダスト、あらゆるアレルギーに対する症状としての代表的な例ですね。
身体にとっての異物を体外に排出しようとして起こる生理現象です。
風邪の場合は炎症により鼻の粘膜が過敏になっているのが原因で起こります。
あとコショウでくしゃみが出るのも、胡椒に含まれる刺激性物質(ヒスタミン)による化学的刺激が原因でくしゃみが発生しやすくなるんですね。
以上のことから、ミントガムやハッカ系のガムをかんだときくしゃみが出てしまうのは
- ミントやハッカが鼻に抜ける感じを「体温が下がった」と脳が勘違いしている
- ガムに含まれる成分の何かを身体が異物と判断し体外に排出しようとしている
この2点が主な原因だと考えられます。
くしゃみが出る原因は寒さ?
ミント(ハッカ)系を口にしたり肌に付けるとヒンヤリした感じや爽快感が得られるのは、ある物質が多量に含まれているからなんです。
「メントール」という物質なのですが、くしゃみが起こる原因はアレルギーよりもメントールが原因という場合がほとんどなのではないか、と思える点がいくつかありました。
メントールの摂取で起こる体への生理現象
まずメントールの最大の特徴ですが、爽快味や冷涼感が強いのが利点なため、歯磨き粉やシャンプーなどにもよく使われています。
メントールを摂取したとき、一番感じる部位は目と鼻腔なので、鼻への刺激が強いということになります。
またスウェーデンの学者によれば、口腔内で低温を感じる神経にメントールを与えることで、温度を下げるのと同じような現象が見られたとのこと。つまり、
- 鼻腔への刺激
- 冷涼感が強い
- 温度が下がるのと似た現象を起こす
この以上の3点を見ると、ミントをなんらかの形で摂取したときにくしゃみが出てしまうのは、ある意味当たり前ということですね。
寒さを感じると身体が体温を上げようと振動させる、その振動がくしゃみとなって出るのですから、いたって普通の生理現象が起こっているだけということになります。
私はシャンプーしていると絶対に1回はくしゃみが出るのですが、今シャンプーの成分を確認したところ、ハーブが7種類ほど入っていました。
ミント系ではないものの、調べたらどれも清涼感が感じられるハーブだったので、あのスカッとする香りが鼻腔へ刺激を伝えてしまっているのかもしれませんね。
器官が弱い(ぜんそく持ちや鼻炎持ちの)人だと香りなどから刺激を受けやすいため、体質的に合わないハーブがある人もいらっしゃるでしょうね。
他にも意外なものが原因でくしゃみが出ることがあるようです。
キシリトールに含まれる成分が原因?
キシリトールってミンティアとかクロレッツのようにガムの名称のひとつかと思っていたのですが、天然甘味料の一種を指す言葉だったんですね^^;
まぁそれは置いといて、キシリトールってかなり優秀な甘味料なんです。
砂糖と比べてカロリーは25%も低いのに、甘さは砂糖とほぼ同じなため、低カロリーの甘味料として重宝されています。
そのキシリトールですが、熱を吸収する際の反応が砂糖の約8倍あるため、その作用によって冷涼感が生じるんですね。
(そのためガムにはミントと併用されている場合が多い)
その冷涼感がくしゃみの原因かと思いきや、ごくまれにキシリトールの原材料が原因の場合もあるということがわかりました。
キシリトールの原料
キシリトールは天然の甘味料なのですが、本当にどの果物や野菜(イチゴ・カリフラワー・にんじん・たまねぎなど)にも入っているんですね。
ただし「こういう食べ物にも普通に入っているよ」という一例であって、工業的に使用されているものは別の原料から作られています。
- 白樺(カバノキ)
- 樫の木
- トウモロコシ
この3つが主な原材料なのですが、この白樺や樫が原因でくしゃみが出る人がいるのです。
つまり花粉症と同じような症状が出るということになるのですが、「わたし花粉症じゃないのに、なんで?」と思う人もいますよね。
これはおそらく白樺や樫の木の育つ環境の違いによって、自分がその木に対して花粉症であるかどうかが認識できていないだけではないか、と思いました。
樫は関東よりも南に多く生息しています。また白樺は北海道を中心に東北などに多く生えていますが、
花粉症は全ての花粉に反応する人ばかりではなく、特定のものにだけアレルギーを持つ人もかなりいます。
北海道に住んでいる人が樫の木のアレルギーを持っていたとしても、北海道以外に住んでいる人が白樺アレルギーを持っていたとしても、関わる機会がほぼないため、花粉症として出る確率はかなり低いということになります。
なので普段関わる機会がないから自覚をしていないだけで、花粉の時期になっても花粉症の症状が表れないからと言って花粉症ではないとは言えないわけです。
過去に白樺の樹液入りという化粧品を試したとき、めっちゃくちゃ肌が赤くなったことがあったのですが、あれはたぶんアレルギー反応だったのだろうなぁと思いました(北海道に住んでなくてよかった。汗)
ガムを噛むとくしゃみが出る原因まとめ
ガムを噛むとくしゃみが出てしまう理由や原因をご紹介させていただきました。
あまり深刻なアレルギーも見当たらなかったですし、くしゃみが出てしまうからと言って不安になることもないのかなと、あくまでも個人的な感想ですがそう思いました。
ただ呼吸がしづらくなってしまうとか、肌が赤くはれてしまうなど、もっと重症な反応がみられたときには病院へ行かれることをおすすめします。
アレルギー科もしくはアレルギー内科のある病院(大きな総合病院ならただの内科でも大丈夫です)へ行って、自分が何をしたときにどんな症状が出るかを伝えて調べてもらってくださいね。
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