自分が朝型人間か夜型人間か、だれしも一度は話したことのある内容ですよね。
学生の頃はついつい夜更かししてしまい、親にもよく注意されたものです。
「早く寝なさい!明日起こしてあげないからね!」
というセリフを何度聞いただろうなぁと懐かしくなります。
社会人になっても夜更かしが直ること(直す気か?)がなかったため、眠い目をこすりながら朝方ボーッとした頭で電車で通勤している毎日です^^;
こんなだから自分はてっきり夜型人間だとばかり思っていたのですが、
どうやら「朝型・夜型」というのは遺伝子によって決まっているようなのです。
いったいどういう仕組みなのか?
実際に調べることができたので、やり方も含めてご紹介していきます。
朝型か夜型かは遺伝子で決まる?
「朝型人間」「夜型人間」というのは、なにも環境的な要因だけで決まるわけではありません。
ある程度は遺伝的な影響が認められるようになってきているのです。
人間を含む動物すべてに体内時計(生物時計)と言われるものが備わっています。
体内時計がどういうものかというと、生まれつき備わっている時間測定の機能です。
普段はわたしたちの意識に上ることはないのですが、睡眠サイクルや日常の行動に大きな影響を及ぼしています。
よく知られている生物時計で概日リズムというのがあるのですが、
この概日リズムは人間の場合、約24時間周期だと言われています。(平均24時間10分)
ちなみに地球の自転周期は約23時間56分4秒なので、
ヒトの周期と大きくずれてはませんが、ピッタリ合っているわけでもありません。この微妙な差も朝型・夜型と分類される要因なのかもしれません。
体内の様々な細胞が行う代謝や神経活動、免疫といった働きは、「朝・昼・夜」の時間帯に応じて変わるようになっています。
そのため、たとえば時計がなかったとしても、細胞の中にはおよそ24時間を自然に刻むことができる仕組み(体内時計)が備わっている、ということなんです。
ただし全員が同じリズムを持っているわけではないので、体内時計が長い人はちょっと気を抜くと、どんどん夜更かしのほうにずれていってしまう傾向にあります。
逆に体内時計のサイクルが短い人は早寝・早起きのサイクルも他の人に比べて短くなるため、社会生活するには困る遺伝病もあります。
もともと苦労しないでも寝起きができる人もいれば、なんとかして体内時計の調整をして生活している人がいるということです。
本人の生活環境が悪いと決めつけられてしまうことがありますが、
朝型・夜型というのは一種の個性と考えるといいかもしれませんね。
体内時計は25時間ではないの?
体内時計と調べると
「実は体内時計は25時間周期だった!」
みたいな書き出しを目にすることが多いと思います。
これは1962年に、ドイツのユルゲン・アショフ教授が自らを実験体として証明してみせたのが25時間に近かったからだと考えられます。
1週間光の入らない生活をして、睡眠や覚醒、深部体温や尿中ステロイドホルモンを測定した結果だというのですから、確かに信憑性はありますよね。
ですがここから数十年経過し、光環境を厳密にコントロールした実験によって、現在ではその周期が24時間10分であると証明されました。
体内時計が約25時間周期というのは昔の話であり、現在は24時間程度と結果が出ています。
朝型か夜型かを調べる方法とは?
自分は「朝型人間」「夜型人間」のどっちになるのか。
見分け方ですが、自分がどちらのタイプなのかを調べる方法は、わたしが知っているだけでも5つの方法が存在します。
それぞれ順番に見ていきましょう。
1.朝型夜型質問紙
朝型か夜型か?と打ち込むだけで、トップに出てくるサイトですね。
朝型夜型質問紙 ←(サイトへ飛びます)
19問まであって、1つの問いに4つ(もしくはそれ以上)の選択肢が用意されています。
判定結果では自分が「超夜型・夜型・中間型・朝型・超朝型」のどこに位置するのかということと、日本人一般成人4000人の中での順位を知ることができます。
点数が低ければ夜型、高ければ朝型になります。(自分は55点でした)
2.ミュンヘンクロノタイプ質問紙
このサイトでは、自分に合った本当の活動/睡眠のタイミングを知ることができると書かれています。
ミュンヘンクロノタイプ質問紙(MCTQ)日本語版 ←(サイトへ飛びます)
全部で7問あるのですが、1問の中での選択肢が2~5問ほどあります。
すべて答え終わると、自分が抱えている睡眠負債(睡眠の借金)や社会的ジェットラグ(時差ボケ)を知ることができ、メールアドレスを入力するとさらに詳しい情報やアドバイスをもらうことができます。
朝型夜型質問紙よりもやや詳しく知れる印象を受けました。(やや朝型と判定された)
3.The Power of When Quiz
マイケル・ブレウス(Michael Breus)という睡眠が専門の心理学者が製作したもので、診断方法がやや特殊です。
博士によれば、朝型夜型(もしくは昼型)についての体質「クロノタイプ」には4つのタイプ(クマ・ライオン・オオカミ・イルカ)があり、それぞれに理想的な日々のルーティンがあるとのこと。
The Power of When Quiz ←(サイトへ飛びます)
ただこのサイト、全文英文なんですよね・・・!orz
答え終わってから送られてくるアドバイス的なメールも全っ部英語!
いちいち翻訳しながら調べるとかムリッ!
なので日本語版で診断してくれる以下のサイトの方がわかりやすいかと思います↓
「Koala Sleep Type Test(コアラ・スリープタイプテスト)」
問いは全部で11問あり、2つの回答のどちらか1つを選ぶ形式になっています。
診断結果はメールアドレスを打ち込むと送られてきます。(ちなみにイルカ型でした)
4.体温
これはNHKの「テストの花道」という番組でやっていた、朝型か夜型かの編定方法になります。
調べる方法はいたって簡単で、
- 寝る3時間前から1時間おきに体温を測る
- 体温がだんだんと下がってきたら朝型
- そうでなければ夜型
朝型と夜型では体温の上がり方が違い、体温がもっとも高くなる時間・低くなる時間は2時間ほどズレており、日中の活動状態にも差が見られるのだそうです。
それでこの方法が紹介されていたのであろうと思うのですが、問題があるとすればいつ寝るかは自分でも把握できていないということ。
23時くらいに寝るとして、その3時間前(8時)から1時間ごとに体温測るってことですよね。本当に23時に寝るかどうかもわからないし、手間もかかるからメンドクサイです^^;
5.色
2015年に突如としてインターネットで話題となった、画像のドレスが何色に見えるのか?という記事。
「このドレス、何色に見える」 ←(サイトへ飛びます)
- 白と金に見える人・・・太陽の光で1日過ごす活発的な人
- 青と黒に見える人・・・人工光によって照らされた環境で過ごすインドア派な人
このドレスが「白&金」に見えるか「青&黒」に見えるかで、朝型か夜型かが判明すると言われていましたが、科学的根拠があるかといえばそうでもないようで、論文を発表した本人とその妻がそもそも当てはまっていなかったと言っています。
光の錯覚や思い込みなどで起こった出来事であるため、遺伝子との関係も今のところは確認できないようです。
信頼できる方法かどうか、は微妙なところかもしれません。(どう見ても白と金にしか見えなかったのですが、実際のドレスは青と黒なんだそうです)
クロノタイプって何?
クロノタイプという言葉、さきほどからちょこちょこ出てきておりましたが、聞いたことがあるでしょうか?
最初耳にしたときは「意味がわからん」と思いましたが、「朝型・夜型」に関わる特性を睡眠科学者たちの間ではクロノタイプと言うのだそうです。
ヒトは昼行性で、通常は昼に活動的で夜に休息(睡眠)を取る動物ですが、そのタイミングは一人ひとり少しずつ異なります。この一人ひとりがもつ時間的なタイミングの傾向がクロノタイプです。
引用元:ミュンヘンクロノタイプ質問紙-日本語版 クロノタイプとは より一部抜粋
クロノタイプは50%程度は遺伝的に決まっており、生活スタイルや年齢による影響は非常に少ないという風に考えられています。
またクロノタイプは「時計遺伝子(体内時計をつかさどる遺伝子群を指す)」とよばれる遺伝子のリズムを測定することで調べることができます。
ではどうやって遺伝子のリズムを測定して調べるのか?ということなのですが、その方法が2章で紹介したいくつかのサイトの診断方法になるのです。
体内時計は個人で差があるため、さまざまな質問に答えていくことで「どのタイプ(型)に該当するか」をある程度は見極めることができるわけです。
どのサイトにも共通していたことですが、「平日の生活リズム・休日の生活リズム」に関する質問がいくつかありました。
なぜかというと、休日の入眠時間は個人の体内時計の時刻をよく反映されるため、判断基準のひとつとして個人のクロノタイプの指標としているのですね。
朝型か夜型かは遺伝子で決まっている?のまとめ
今回えらい長くなっちゃいましたが、いかがだったでしょうか?
朝型か夜型かというのは生まれつき遺伝子で決められていることや、朝晩の切り替え方やタイプなどについてお話させていただきました。
朝にうまく起きられない=ダメ人間
というレッテルは、今の社会では当てはめられがちです。
でもそれが生まれついての体質や個性と考えられれば、本人も周りもお互いを理解しやすくなる気がします。
夜型は不健康だしダメ!じゃなくて
「あなたは夜行性なのね~じゃあ夜行性に向いた学校とお仕事はこちらでーす」っていう風に世の中が変わったらいいなぁと思いました。
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